わざの創造とエビデンスの融合

ごあいさつ

  2008 年9 月6 日(土曜日)と9 月7 日(日曜日)の2 日間、石川県金沢市において、「わざの創造とエビデンスの融合」をメインテーマに、第13回日本糖尿病教育・看護学会学術集会を開催させていただくことになりました。
  本学術集会は、発足から13年目となります。この間、日本糖尿病療養指導士、糖尿病看護認定看護師、慢性疾患看護専門看護師の誕生など、糖尿病看護の専門的取り組みが始まりました。昨年制定された世界糖尿病デーにみる世界的な糖尿病克服への挑戦、また本年は糖尿病足病変ケアへの診療報酬が決まり、糖尿病看護が新たな局面を迎えたことを感じます。このような時期に開催する本学術集会は、これまで築いてきた糖尿病看護の知見を活用し、個人あるいは学会がなすべきことを示し、糖尿病教育・看護の発展に寄与する責務があると考えます。

  学術集会のメインテーマは、「わざの創造とエビデンスの融合」としました。このテーマは、看護観に支えられた糖尿病教育・看護行為としての「わざ」の大切さを再認識する観点から、エビデンスを用いて質保証を可能にするために「わざ」を誰もが使える「技術」にすることに焦点をあてました。臨床経験から得た各個人の糖尿病教育・看護の「わざ」を「技術」にして一般化し、その技術を使い看護実践を重ねることで結果を出し、「エビデンス」に裏付けられた「有効な技術」に育て上げることが重要です。「わざ」は、有効な技術を使う熟練看護師に磨かれたとき、技術と実践のギャップが生じたとき、技術の組み合わせを行ったときに創出されると思います。「わざ」は「技術」の源であり、エビデンスにより「有効な技術」となり、熟練されたわざ、あるいは、新しい「わざ」が創造されていく。これにより、「わざ」と「エビデンス」が融合し、糖尿病教育・看護の質が保証されると考えます。

  「わざ」と「エビデンス」の関係を、講演・シンポジウムで展開します。講演では臨床とのギャップと臨床研究の必要性、足病変ケアへの診療報酬がつく経緯と今後のデータ蓄積方法についてを計画しました。教育セッションでは、ケア介入の有効性を予測と評価という視点から、品質工学を用いた新しい研究手法として本学術集会からの発信として試みます。一方、ナラティブを糖尿病看護に積極的に取り入れるという視点からもセッションを組みました。シンポジウムでは「わざ」を「技術」にするとりくみと、チーム医療を通して「わざ」を磨くという視点から第一線での活動紹介を企画しました。また、昨年度好評でした交流集会を多数開催します。
  本学術集会を、現状の分析と新たな方向に向けての課題の発見、臨床実践に役立つ知見の習得など参加者一人ひとりにとって魅力あるものにしたいと思います。皆様の学会への演題のご発表、およびご参加をお待ちしています。


第13 回日本糖尿病教育・看護学会学術集会  
会 長 稲 垣 美 智 子  
(金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻看護科学領域)

 

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